人体自然発火現象

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人体自然発火現象(Spontaneous Human Combustion、SHC)は、人間の体内から突然発火し、正確な出火元が不明の現象である。科学的には説明がつかない現象であり、超常現象の一種とされる。人体自然発火現象の事例はかなり昔から報告されており、過去には、タバコアルコールを多く使用する女性のみに起こる現象だと考えられていた。しかし近年では、タバコやアルコールを使用しない人や、男性や子供にも発生した事例が多くあることがわかっている。

概要[編集]

人体自然発火現象は、周辺に火気がないにも関わらず、突然人間から発火する。発火は、一定の時間でおさまる。また、発火後の炎上の仕方も、はっきりと下半身のみを残して焼けていたり、片腕だけだったり、背中の一部のみだったりする。被害者は死亡する事例が大半であるが、命に別状の無い箇所が焼けたのみの生存者も多くいる。

前述のように、過去には、タバコやアルコールを多く使用する女性に被害が集中していたため、タバコに含まれる物質や、体内にあったアルコールが燃料状態になり、何らかの理由で発火したという説が高かった。しかし、近年の事例では、タバコやアルコールを使用しない子供や、男性にも被害が出ていることが明らかになった。また、女性だけが発火するということについての説明も、前のような説では説明がつかなかった。

また、事件の事例は、イギリスが圧倒的に多いことから、イギリスに地理的な原因があるのではないかともいわれている。

主な仮説[編集]

人体自然発火現象の仮説は、主に以下のようなものがある。[1][2]

アルコール大量接種による発火説[編集]

前述にもあったが、この仮説は、アルコールを大量に摂取することによって、体内にアルコールが残り、残ったアルコールが燃料状態になるという説である。しかし、アルコールを摂取しない人も被害に遭っているため、現在ではこの説は否定されている。

リンによる発火説[編集]

大気中で激しく燃え上がるリンが、発火を引き起こしているとする説である。しかし、リンが体内で発火することは考えにくい。

プラズマ発火説[編集]

プラズマが被害者に偶然移ることによって、発火するという説である。イギリスでプラズマが多く発生するため、イギリスでの事例が集中しているともいわれている。しかし、被害者の炎上の仕方や、プラズマが被害者に移る確率からして、あまり有力な説ではない。

人体ロウソク化による発火説[編集]

人体がロウソクのような状態になることによって発火する説である。豚肉を使用する実験では、布に包まれた豚肉がロウソクのような状態になり発火することが明らかになっている。最も信頼性が高い仮説とされているが、人体がどのようにロウソク化するのかは明らかになっていない。

人体帯電説[編集]

被害者の体内に、ある一定の量の電圧が発生し高温になった状態で、何らかの理由で発火するという仮説である。しかし、詳しい内容は仮設されておらず、人間の体内に電圧が発生するということに関する解明もなされていない。

発火性遺伝子による発火説[編集]

人間の体に含まれる遺伝子の中に、発火性のものがあり、それが突然発火するという説である。一部の科学者たちはこの説に注目している。ただし、そのような遺伝子は発見されていない。

火災の誤認説[編集]

人体発火説では「周りに火の気が無く、人体の周りだけが焦げ、人体そのものはほんの一部を残して炭化ないし焼失している」とされている。しかし火災誤認説では何らかの疾病などで急死した人物の着衣にタバコや照明暖房などを熱源として火が付き、締め切った断熱性の高い屋内で着衣やその周辺がゆっくりと燃える過程で人体の脂肪分が燃料となり更に燃え続け、周囲への延焼も無く室内の酸素が消費されつくして建物が延焼せず鎮火した偶然の結果だというものである。これらは同現象発生時に「室内の気温が異様に高かったこと」や「締め切った室内に充満する酷い焼け焦げた匂い」などの発見事例が似た状況下の他の物が燃えた火災の自然消火現象に類似するためで、上の人体ロウソク化現象を補填する形となっている。

他にも、電磁波発火説(空中に大量に放出された電子が,被害者への発火を引き起こす)や、レイライン説(地球上の経緯線のような、ある一定のライン上でこのような現象が起こる)、球電説などの仮説がある。

主な事例[編集]

メアリー・リーサーの事例[編集]

1951年7月1日の夕方、アメリカフロリダ州セントピータースバーグのマンションでおこった事例。被害者のメアリー・リーサーの息子、リチャード・リーサーが母親のマンションを訪ねると、母親はスリッパを履いたままの足などを残して、すでに焼け死んでいた。まわりの古新聞紙などは燃えていなかった。

前日に息子が母親を訪ねた際は、母親は読書をしていたという。[3][4]

アルフレッド・アシュトンの事例[編集]

1988年1月8日に、イギリス南部のサウサンプトンでおこった代表的な人体自然発火現象の事例である。アルフレッド・アシュトンとは、被害者の名前である。被害者は、下半身のみをくっきりと残して焼け、発見時には既に死亡していた。周辺には、火気らしきものはなかった。室内は高温だった。

その他[編集]

漂白剤・消毒剤として用いられる次亜塩素酸ナトリウム水溶液を浴びた衣服を洗浄せずに乾燥させ、着用していたところ突然爆発した事例がある。これは化学反応によって塩素酸ナトリウムなどの強酸化剤が生成され、摩擦熱などよって着火したものである。

衣服に用いられるフリースは構造上多量の空気を含むため、調理時の不注意などで着火すると爆発的に炎上することが知られている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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