上尾駅

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

上尾駅(あげおえき)は、埼玉県上尾市柏座一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)高崎線である。

上野駅発着系統と、新宿駅経由で東海道本線に直通する湘南新宿ラインが停車する。

歴史[編集]

上尾は中山道の宿場町であったが、沿道の他の宿場と比べると小さかった。1883年明治16年)に、日本で3番目の鉄道である日本鉄道(現・高崎線)の開業とともに上尾駅が開業し、町の発展を促進した。中山道が駅の東を通っていたため、出口はこの東に向けて設けられた。

1960年昭和35年)の利用者数は一日平均13,996人であった。この頃から駅西側の宅地開発が始まり、利便性を高めるため、駅の北に東西を結ぶ宏栄橋が1971年(昭和46年)9月に架けられた。1967年(昭和42年)に駅自体の橋上化工事が始まり、1968年(昭和43年)2月に東西を結ぶ自由通路が完成し、同年6月10日に新駅舎での営業が開始された。

1973年(昭和48年)には日本国有鉄道(国鉄)の労働組合による遵法闘争に怒った乗客が暴動を起こし、駅舎や電車を破壊するという騒動が起きている(上尾事件)。

国鉄分割民営化により、夕ラッシュ時に停車駅を減らした快速「タウン」(後に通勤快速)の運転が開始されたが、当駅は通過となった。そのため、上尾市は同じく通過駅となった桶川駅を有する桶川市とともに、JRに対して通勤快速の停車を長年要望し続け、2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正によって、下り2本に限って2駅への停車が実現した。

年表[編集]

  • 4月19日 - 臨時市議会で駅舎改修の工事委託契約を承認。
  • 6月23日 - 駅舎改修工事着工(期間:3年6か月)。
  • 3月14日 - E’site上尾が開業。
  • 6月1日 - この日から発車メロディが「上尾市歌」に変更される。
  • 2011年(平成23年) - 駅舎改修工事完成。
  • 2013年(平成25年) 7月28日 - 開業130周年を迎え、記念イベントが開催される。

駅構造[編集]

単式ホーム1面1線(1番線)と島式ホーム1面2線(2・3番線)の計2面3線のホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有している。新駅舎の一部供用開始により、各ホームとコンコースを連絡するエスカレーターが2基ずつ、エレベーターが1基ずつ設置されている。

社員配置駅(管理駅)で、北上尾駅を管理下に置く。みどりの窓口びゅうプラザ指定席券売機自動改札機が設置されている。改札内にはKIOSKそば店トイレがある。

駅舎は東西自由通路と一体化され、自由通路は東西両駅前広場ペデストリアンデッキと連結しており、バスターミナルや商業施設群と連絡する。なお、自由通路・ペデストリアンデッキ部にはエスカレーターは設置されておらず、東口のエレベーターは駅舎から離れた場所に設置されている。

西口では、2008年12月20日から新しいエレベーターの供用を開始し、同時に旧エレベーターが閉鎖された。自由通路には西口立体駐輪場との連絡通路があったが、自由通路の拡幅に伴い同年8月1日に閉鎖された。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先 備考
1 高崎線 上り 大宮上野新宿横浜方面(湘南新宿ライン含む)  
2 高崎線 上り 大宮・上野・新宿・横浜方面(湘南新宿ライン含む) 待避等の一部列車
下り 熊谷高崎前橋方面
3 高崎線 下り 熊谷・高崎・前橋方面  
  • 特急「あかぎ・スワローあかぎ」の一部と湘南新宿ラインの列車は新宿駅方面に発着し、後者はさらに大船駅経由で東海道線へ直通する。
  • 下り通勤快速、下り快速、上下特急の前を走っていた普通が、当駅2番線で待避する場合がある。朝ラッシュ時には、普通列車と特急列車の利用者を分離する目的で上り(上野行・新宿行)特急は接続列車がなくても2番線に入線する。上り特別快速の待避は2009年3月14日改正で桶川駅に変更されている。
  • 下りホームには夕方ラッシュ時における降車客対策を目的としてホームから旅客を分離する空中回廊が設置されていたが、駅舎改修工事のため閉鎖・解体された。
  • 発車メロディは「上尾市歌」である[1]

駅舎改修工事[編集]

上尾市では、当駅の橋上駅舎化完成から37年が経過し、老朽化が著しいこと、バリアフリーなどの時代の要求に応えることが難しくなったことから、駅舎の近代化改修を計画し、2007年6月23日に着工した。この工事により東西自由通路の拡幅と全面バリアフリー化がなされるとともに外観デザインも一新した。2008年9月13日より下りホーム(2・3番線)の階段の一部とエスカレーターが閉鎖され、ホーム中程に新築された階段・エスカレーター・エレベーターの供用を開始した。

計画概要

  • 自由通路の拡幅
    • 東西自由通路を南側(大宮寄り)に拡幅し、現行の8mから20mとする。これにより、駅全体が南へ拡張される。自由通路の拡幅により、(1) 駅が利用しやすくなる、(2) 通路が通行しやすくなる、(3) 催し物を開催する場所が確保される、(4) 修学旅行や団体の待ち合わせ場所として利用できる、などの効果がある。
  • バリアフリー化
    • 2000年11月に施行された交通バリアフリー法により、上下ホームにエスカレーター2基とエレベーター1基をそれぞれ設置する。
    • 改札内トイレは、段差のない多目的トイレ(手すり・ベビーベッド付き、オストメイト対応)とする。
    • 東西広場と自由通路を結ぶ階段にエスカレーターを設置。東口では駅舎から離れた旧中山道寄りにのみ設置されているエレベーターを駅舎の近くに1基増設する。西口は大幅に改修され、自由通路の中央に西口広場からの階段と上下エスカレーターを設置、階段の奥にあって場所が判りにくいエレベーターも、目立つ位置に移動する。設置されるエレベーターは、内部の安全確保のため、スケルトンタイプとする。
  • その他
    • 自由通路の北側にある自動券売機と「みどりの窓口」は、鉄道利用者と自由通路通行者の交錯によって、動線が乱れているため、南側の改札口横に移動する。
    • 駅舎と自由通路の高所に窓を設け、自然光を取り入れる。
    • 駅舎と自由通路の屋根は、やわらかさをイメージした丸みのあるデザインとする。
    • 駅舎改修にあわせ、西口駅前広場を再整備する。
    • 自由通路拡幅にあわせ、東口ペデストリアンデッキの拡幅を行う。
  • 工事期間 - 2007年(平成19年)度から3年6か月。
  • 総工費 - 40億6,600万円(上尾市負担額 36億5,100万円)
    • 内訳 - 撤去費 3億5,800万円、建設費 32億9,300万円
  • 財源 - 市場公募債の発行を検討。

なお、自由通路の拡幅や駅舎改修の費用は、交通バリアフリー法に基づきJR東日本が負担し、上尾市の負担はバリアフリー設備の設置にとどめるべきとして、上尾市中心の改修事業に反対する市議会議員も数名いる。これに対し上尾市長は、駅舎改修を施さずにバリアフリー設備を設置することは不可能としている。駅舎改修は2008年2月3日投票の上尾市長選挙でも争点になったが、選挙では改修推進派の候補者が当選した。

JR東日本では、これに合わせて駅構内商業施設駅ナカ店舗)を開発する計画を発表し([1])、2010年3月14日に「E’site上尾」として開業した([2])。

利用状況[編集]

2012年度の一日平均乗車人員は40,999人[2]で、JR東日本の駅の中では104番目に多い。これは、同社の高崎支社管内および高崎線内の宮原駅以北では1位、高崎線全体(高崎線として運行されている列車が発着する駅を含む)でも大宮駅上野駅赤羽駅浦和駅さいたま新都心駅に次ぐ6位にあたる。

近年の1日平均乗車人員推移は下表のとおりである。

年度別1日平均乗車人員[3]
年度 1日平均
乗車人員
1999年(平成11年) 41,421
2000年(平成12年) 41,091
2001年(平成13年) 40,827
2002年(平成14年) 40,783
2003年(平成15年) 41,106
2004年(平成16年) 40,802
2005年(平成17年) 40,820
2006年(平成18年) 40,900
2007年(平成19年) 41,125
2008年(平成20年) 41,140
2009年(平成21年) 40,591
2010年(平成22年) 40,491
2011年(平成23年) 40,395
2012年(平成24年) 40,999

駅周辺[編集]

高崎線は南東から北西に走っており、北東側を東口、南西側を西口としている。東口と西口にはそれぞれ駅前広場があり、東口広場の上と西口広場の南東側には再開発に合わせてペデストリアンデッキが構築されている。このデッキは駅前バスターミナルと商業施設群に連結している。

東口から約100メートルを隔てて、江戸時代からの五街道の一つ中山道が線路と平行に通る(埼玉県道164号鴻巣桶川さいたま線、旧中山道)。かつてはこの道が国道17号であったが、そのさらに東側に大宮バイパスが建設されると、国道17号および中山道の名称はそちらに移された。それに伴い、旧国道17号は旧中山道となり、国道から県道に変更された。

かつての上尾宿はこの旧中山道沿いにあったが、現在はその面影をとどめるものはない。上尾宿の発展により街の中心は東口であり、西口の開発時期が遅かったことから大規模店舗は駅西口付近に集中している。なお、西口駅前広場は駅改修工事に合わせて再整備される予定である。街の賑わいは東西ほぼ同じである。駅の北側には高層マンションが林立する。

東口の南方に氷川鍬神社という小さな神社がある。かつて、駅から旧中山道に出る道がこの神社の敷地を割いて作られたが、丸広百貨店上尾店の陰になって駅から見えない。

交番は東西両口にあり、警察官が常駐する。

東口[編集]

  • アリコベール - デパート館「丸広百貨店」・ホテル館・サロン館・プラザ館が、それぞれ駅前広場を取り囲む形で立ち並ぶ、東武鉄道系列の商業施設群。プラザ館以外は駅とペデストリアンデッキで連絡している。
  • 旧中山道(埼玉県道164号鴻巣桶川さいたま線)
  • 上尾市役所
  • 上尾市図書館
  • 上尾宮本町郵便局
  • ベルーナ本社
  • 埼玉りそな銀行 上尾支店
  • 国道17号(中山道)

西口[編集]

バス路線[編集]

駅の東西両広場はバスターミナルとなっており、市内交通の拠点である。東口よりも西口の方が路線数・本数ともに多い。東武バスウエスト大宮営業事務所(東口)・東武バスウエスト上尾営業所(西口)・朝日自動車菖蒲営業所丸建自動車けんちゃんバス」の路線が発着し、上尾市内循環バス「ぐるっとくん」(東武バスウエスト・協同観光バス・丸建自動車に運行委託)も発着する。かつては東武バスが一円に路線網を保有していたが、東口では基幹路線を除いて朝日自動車に移管された。けんちゃんバスは21世紀に入ってから参入したもので、急速に路線網を拡大した。

その他、降車専用であるが国際興業バスの深夜中距離バス「ミッドナイトアロー上尾・鴻巣」も当駅東口を経由する。

路線の詳細は各事業者・営業所の記事を参照。

西口[編集]

1番乗り場

  • 尾01:西柏座経由 西上尾第一団地行、柏座経由 西上尾第二団地センター行(東武バスウエスト)
  • 尾08:西柏座経由 西上尾車庫行、畔吉経由 西上尾車庫行(東武バスウエスト)

2番乗り場

  • 尾01:【急行】市民体育館前経由 西上尾第一団地行(東武バスウエスト)
  • 尾01:市民体育館前経由 西上尾第一団地行、市民体育館前・西上尾第二団地センター経由 西上尾第一団地行(東武バスウエスト)

3番乗り場

  • 尾01:市民体育館前経由 西上尾第二団地センター行(東武バスウエスト)
  • 尾10:市民体育館前・西上尾第二団地センター経由 リハビリセンター行(東武バスウエスト)

5番乗り場

6番乗り場

上尾協和ビル前乗り場

  • ぐるっとくん平方循環
  • ぐるっとくん大石循環

駐輪場前乗り場

  • ぐるっとくん大谷循環
  • ぐるっとくん東西循環

※4番乗り場は欠番

東口[編集]

1番乗り場

  • 大51:白樺通り入口経由 大宮駅東口行(東武バスウエスト、深夜バスも運行)
  • 尾52:白樺通り入口経由 吉野町車庫行(東武バスウエスト)

2番乗り場

  • 未使用。バスの発着はなし。

3番乗り場

4番乗り場

  • 二ツ宮経由 がんセンター前行(朝日自動車)
  • 平塚住宅前経由 上尾駅東口行(朝日自動車)

5番乗り場

  • 6:丸山駅経由 蓮田駅西口行(丸建自動車:けんちゃんバス)
  • 7:日本薬科大学前経由 蓮田駅西口行(丸建自動車:けんちゃんバス)
  • ぐるっとくん原市循環 水上公園入口・アッピーランド方面 (協同観光・丸建自動車)
  • ぐるっとくん上平循環 アッピーランド・北上尾駅入口方面(協同観光・丸建自動車)

6番乗り場

  • 送迎バス用の乗り場であり、路線バスの発着はない。

隣の駅[編集]

東日本旅客鉄道
高崎線
通勤快速(下りの一部のみ停車)・快速「アーバン」・湘南新宿ライン特別快速
大宮駅 - 上尾駅 - 桶川駅
普通・湘南新宿ライン普通(大宮駅から快速)
宮原駅 - 上尾駅 - 北上尾駅

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]